驚くべきことに土に差していた切り枝のネコヤナギから新芽が出てきました。
冬にフラワーデザイナーさん一行がご宿泊をされ、雪上でのブランドイメージの写真撮影の際に使われたものでしたが、長い期間観賞できることから、ご好意で置いていって下さいました。
お陰様で花瓶に飾ったネコヤナギをその後ご宿泊・ご来店下さった方々にもお楽しみ頂けました。
しかし、花が成熟し花粉が室内で飛散してしまうようになり、室外に出さざるを得なくなりました。
そこで、ネコヤナギが耐寒性に優れていると以前聞いたことがあったので、まだまだ冷え込み厳しい3月中旬頃、ダメもとで露地で挿し木ができないか試してみることにしました。
約1ヶ月が経過した頃、様子の変化が感じられないので堆肥行きと諦めて枝を抜いてみたところ、なんと発根していました。
今期は暖冬でしたが4月は逆に気温が上がらず、ー5℃くらいまで下がる日もあったため驚きを隠せませんでした。
再度土壌に戻し約10日後、新芽が生えてきました。
自然の力は驚異的ですね。
挿し木では細胞分裂や成長促進に関与している植物ホルモンのオーキシンの働きを理解することが大切と言われています。
分子レベルでの微細領域の作用は長らくわかっていなかったようですが、近年の研究によりオーキシンに応答して根で誘導されるLBD16/ASL18というタンパク質が、根の発生を引き起こす最初の細胞分裂を制御していることが明らかになってきているようです。
これはゲノム解析モデル生物のシロイヌナズナを対象とした実験で得られた知見ですが、おそらくネコヤナギでも類似した現象を確認できるはずです。
自然界の何でも無いような反応には、信じられないくらい巧妙なメカニズムが隠されており、構造を知れば知るほど驚きと感動がありますね。
面白い発見をさせていただきました。
THE KOKONOE 代表☀
【驚異の発根力】挿し木したネコヤナギの若葉
更新:2020/04/30