【リトリートとは？】現代社会で高まるニーズと魅力

UP DATE:2020/08/04　カテゴリ：癒し　Healing

世界中で人気が高まるリトリート。

欧米発祥の急成長を遂げているITベンチャー企業等では福利厚生の一貫でリトリートの要素を取り入れ、生産性と創造性の向上に一躍担っていることをご存知の方もいるかと思います。日本に先行しヒーリングやスパが盛んな欧米では社会的認知が高いですが、日本では今じわじわとそのブームの兆しが来ており、まだまだこれから伸びていくという印象です。

日本は四季の移ろいと国土に森林面積が多いため、豊かな自然環境を活かした日本独自のリトリートプログラムに注目が集まっています。スパ&宿泊施設を世界各地の魅力的なエリアで展開するリゾート会社が日本の禅や能の世界観を取り入れたリトリートを構築し、サービスも開始しています。

そんな裾野が広く需要の増加傾向にあるリトリートの魅力をまとめました。

そもそもリトリートとは？

リトリートは直接的には「隠居・避難・退却」といった意味があります。サービスとしてリトリートという言葉が使われる場合は、語源のリトリートメント（retreatment）を指すケースが多いです。「普段過ごしている住空間から離れた環境で治療やトリートメントを行い、心と身体を回復させる時間と空間」を意味します。

日本古来の一汁三菜を基本とした食生活から戦後の欧米化に伴うマイナス面、電子機器やスマホの長時間操作から来るデジタルストレス、人間関係に伴う心理的消耗がもはや当たり前となっている現代社会で、活力を維持しバランスを保ち続けることは容易なことではありません。それに、精神疾患により労働生産性が高い若年層の機会損失が経済成長にネガティブな影響を与えているという指摘も見逃す訳には行きません。

こうした社会背景から日本でもリトリートの需要が年々高まってきていることが伺えます。

リトリートの種類

先に挙げたリトリートメントの意味から考えれば、様々な種類のリトリートが存在します。

それこそ日本人が古くから大切に醸成してきた温泉文化や能・落語も一種のリトリートかもしれません。他にはヨガ、瞑想、美容、エステ、座禅、ファスティング、ピラティス、カラーセラピー 、読書会、森林浴、神社仏閣・史跡めぐり、コーチング、武道の実践、最近ではサウンドヒーリングも含まれると思います。

個人的には遠征ラボリトリート、サイエンスリトリートといった科学技術や先端研究をベース要素にしたプログラムも人気が出るのではと予想しています。単に野外観察や実地研究だけでなく、その分野の先端研究の科学者をお招きし、社会的な立場・役割が異なる参加者同士がポジティブに心をひらき、創造性を刺激し合うプログラムなんて面白いかもしれません。

日常とは異なる環境と方法で感性を刺激し、緊張緩和と癒しにより、自己成長の機会を設け、創造性を高めることがリトリートの肝となります。

リトリートのメリット

例えば波長の合う仲間や参加者と共に森林や清流を散策し、その場所でヨガや瞑想をする企画では、自然から発される虫や鳥の鳴き声、水のせせらぎ、森から漂う香りなどに浸ることができるため、身体のリラックスと感情面のデトックス、そして活力を回復させることができます。

神社仏閣や史跡めぐりなら、その土地に古くから根ざす文化や伝統、時には地元の方から貴重な口伝をお聞きできる機会もあるかもしれません。その土地にしかない要素を学び、全身で体感を深めることは、新しい自分の発見にもきっとつながります。こうした体験を重ねることが、現代社会生活で疲れた心と身体を深部からよみがえらせます。

エステや美容に特化したプログラムなら自然が豊かな環境で、通常よりも高いデトックス効果を得ることができるかもしれません。リトリートで内面を磨き、身体的にも美しくなることで、スピードの早い現代社会を自分らしく輝いて乗り切っていくベースづくりにも貢献するでしょう。

そして、リトリートには食事が不可欠ではないでしょうか。せっかくの自然豊かな環境に足を運んでも食事への配慮が欠けてしまうと、様々なポジティブな効果も減少してしまいます。その土地ならではの伝統野菜や発酵食を活用し、手間と愛情をかけた料理を出している施設や宿に滞在することをオススメします。自然豊かな環境で質の高いお食事を取るだけでも、リトリート効果が期待できます。

メリットを簡単にまとめます。

①非日常の空間に身を置き、感性を刺激する自分だけのプレミアムな時間
②自分の心との対話を通じて、人生を輝きと豊かさで満たすきっかけづくり
③将来のライフプラン設計を自分の価値観とペースで見直し、新しく構築していける
④波長の合う仲間との新しい出会いと価値観が似た友人が出来る

リトリートのデメリット

リトリートにはメリットが多いですが、デメリットもあります。波長が合わないコミュニティに参加してしまうと、逆にストレスが増加してしまう可能性があります。また、自立心と他者への配慮に欠ける依存型コミュニティでは、過度なネガティブな感情の吐き出し合い、妬み・嫉みといった感情から抜け出せず、精神と金銭、何といっても２度と戻ってこない時間を消耗してしまうケースもあります。快適な時間を過ごし、自己成長のためにはリトリートの運営者や関係者への選択眼を磨くことも重要です。自分の貴重な人生の時間の一部を投資するため、これは思っている以上にとても大切なことです。

自分だけのリトリートを持つ

良いリトリートコミュニティとの出会いや絶えざる自己成長の環境づくりのためのオススメは自分だけのリトリートを持つことです。

例えば、あなたが瞑想やヨガを日頃から大切にしていれば、旅先や日常とは異なる環境で積極的に実践してみましょう。それだけで新しい発見と学びがあるはずです。

さらに余裕が出てきたら、それを友人や家族に対してポジティブな気持ちで巻き込んでいくことで、さらに相互が成長していくでしょう。大切なことはどんなに小さな取組みでも良いので、自分の手でゼロからやってみること。その経験が良いリトリートコミュニティとのご縁の形成、ひいては仕事・サービスの水準まで発展していくかもしれません。

仲間を増やす

同じ価値観とベクトルを持つ人達との出会いは魂の喜びと言えるほど豊かな瞬間です。自分を磨き続けることで優れた人脈を築いていくことができます。魅力的なリトリートプログラムに参加し、自己成長をぜひ楽しんでください。人生が何倍も輝いてきますよ。

まとめ

リトリートは一言で言えば「感性が刺激される非日常の空間でまだ見ぬ自分を発見し、生涯付き合って行ける友人との出会いの機会」ではないでしょうか。

令和に入り、社会では大転換とも言える出来事が続いています。

こんな時代だからこそ、アクセルを踏み続けるのではなく、一旦停止する勇気を持ち、心と身体をリフレッシュさせ、明日への活力を養う暮らしと仕事のリズムが大切です。

日本にも優れたプログラムがこれからさらに登場してくるでしょう。一度きりの人生を楽しみましょう！