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チャラカ本集総論編

更新:2019/02/28

インド伝統医学で健康長寿の秘訣を探る


アーユルヴェーダ、という言葉を一度はお聞きになったことがあると思います。

多くの方は、オイルを使ったリラクゼーションマッサージを思い浮かべるのではないでしょうか。

実は、これ、インド医学であるアーユルヴェーダにおいては、病気を治す処方箋の一つになります。

なぜなら、アーユルヴェーダは、インドでは医療行為と認められているからです。

世界保健機関(WHO)が認めた伝統医学の1つでもあります。

歴史は西洋医学よりも古いと言われています。書籍の記録によると約2000年前から存在し、紀元前にさかのぼるだろうという見方もあります。

そのため、インドの病院では、西洋医学とインド医学(アーユルヴェーダ)を選んで受診することができます。

もちろん、医療行為になるので、診察・施術には、西洋医学の医師免許を有することが必須であり、アーユルヴェーダ医師になるためには、さらに専門の勉強の上、アーユルヴェーダ医師としての免許を持たなければいけません。

医学部でアーユルヴェーダを勉強する際、現在もテキストとして使用されているのが本書です。

別名「チャラカ・サンヒター」と呼ばれており、インドの三大古典医学書の1つです。
本書は、大昔からの内科的技術の口伝承をチャラカという人物がまとめた書物になります。(故にアーユルヴェーダは伝承医学とも言われています)

この書物を知ったのは、私がアーユルヴェーダを学んでいた頃。

インドでご活躍の現役アーユルヴェーダ医師から講義を受けた時、「チャラカ・サンヒターに記されている全てを暗記しなければ、インド医学の医師にはなれません。」とおっしゃったことが気になり、書店で探し求めました。

本書は、読み物というより、辞典や哲学書です。

内容を大きくかいつまんで言うと、

・病気とは一体何なのか?
・なぜ病気になるのか?
長寿で生きるためには?
・体質と体調とは?
・健康でいるためには、1日をどのように過ごしたらよいのか?
・季節ごとの望ましい過ごし方とは?
・植物性食品(野菜など)と動物性食品(肉や魚、乳製品)の持つ特徴とは?
・体質に合う食材は何か?避けるべき食物は何か?
・処方する施術のやり方や薬草について
・病気の原因が霊的なものに起因する場合の処方
・処方するヨガのポーズや運動について

等々、聞いただけでも大変興味深い内容となっています。

長野県は長寿県です。戸隠で出会うお年寄りの方も長寿で元気に畑仕事をされている方が多く、暮らし方や食べつないでいるものを本書と照らし合わせて見ても興味深いものがあります。

アーユルヴェーダの土地インドと日本、古代と現代。
国と時間を超えて、見出せる面白いものがあるのではないかと思います。

日本語、英語、サンスクリット語の3言語で記されており、学ぶにはこの上ない教科書になると思います。

しかし、値段も目玉が飛び出るくらい高く、清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入したことを鮮明に覚えています。あまりにも高価なため、書店で取り寄せる時に、前金でのお支払いとなりました。後にも先にもこんなに高い書物を購入することはないと思ってしまいました。

当時の私は、本書を活用し、アーユルヴェーダのクラスで出された宿題に取り組んだものです。

恩師曰く、「アーユルヴェーダには5000年以上の歴史がある」とのこと。

インドの叡智に触れたい方にオススメの一冊です。

あまりにも大きく重いので、別場所で保管しております。
カフェでお読みになりたい方は、お気軽にお声がけくださいませ。

(キッチン担当)

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