ARTICLE

松下幸之助が寄贈した茶室・鈴松庵

UP DATE:2020/09/06 カテゴリ:哲学 Philosophy

IMG_4065.jpeg
鈴松庵の入り口
撮影日:2020年9月4日

五感を刺激する旅【3】 松下幸之助が寄贈した茶室・鈴松庵

日本神話で天孫降臨の際、天照大御神に遣わされた邇邇芸命(ににぎのみこと)を道案内した国津神・猿田毘古神(サルタヒコノカミ)が主神として鎮座する伊勢国一宮の椿大神社。

この神社は経営の神様として広く知られる松下幸之助が生前に度々足を運んでおり、茶道の発展と和の心の大切さを広めるべく昭和51年3月に竣工された茶室・鈴松庵(れいしょうあん)が寄贈されています。

誰でも気軽に立ち寄ることができますが、背の高い木立が並ぶ中にあって、心と身体が浄化される清々しい環境が広がります。夏場はエアコンが効いた庵内からひぐらしやセミの鳴き声を聞くことができ、極上の時間が味わえます。

鈴松庵について

小間(三畳台目席)、広間(十畳書院)、立礼席(六坪)の三室を備え、新緑の春、紅葉の秋、冬の雪景色など四季折々の風情も楽しむことができ、流派を問わず、癒しのひとときを味わう空間として運営されています(1)。

IMG_4066.jpeg

茶人・哲学者の顔を持つ松下幸之助

かつてアメリカの『ライフ』誌は松下幸之助と松下電気(現Panasonic)を取り上げ、最高の産業人(Top Industrialist)、最高所得者(Biggest Money-Maker)、哲学者(Philosopher)、雑誌発行者(Magazine Publisher)、ベストセラー作家(Best-selling Autor)と5つの顔を持つ人物と紹介したことがあるそうです。

松下の茶道哲学をうかがい知ることができる言葉があります。

茶道というものの根本は、結局は亭主とお客が相和して、お互いの心づかいが一体となってお茶が行われるというようなところにあるように思う。つまり亭主が誠心誠意お客をもてなし、お客もまた亭主の心づくしを受け、何事もつつましく謙虚に行うようにする。こういう心づかいを示しあうところに、「侘び」というようなものがあるのではないだろうか。(2)

他にも茶道に関する様々な発言がありますが、大別して以下の3点に集約されるそうです。

①茶道は日本人の精神的な伝統文化であり、その考え方は平和的かつ民主的で、普遍性がある。

②茶室に入って一服飲むと心が落ち着き、精神的な豊かさが得られる。

③お茶の心は素直な心に通じる。(2)

鈴松庵の様子

IMG_4055.jpeg

IMG_4067.jpeg

IMG_4072.jpeg

呈茶を丁寧にいただけます。

IMG_4070.jpeg

星見草(ほしみぐさ)を模してつくられた和菓子。お皿は記念品として持ち帰りできます。

IMG_4064.jpeg

参考文献・WEBサイト

(1)椿大神社 公式WEBサイト

(2)松下幸之助 茶人・哲学者として 谷口全平・特田樹彦 著 宮帯出版社(2018)

★お知らせ★

THE KOKONOE 2020 コラボレーションリトリートプログラム

▶︎8/28-29【盛会にて終了いたしました!】
合気道とメガゴングのリトリート《満席御礼・キャンセル待ち》

▶︎9/19-21
回復力リトリート in 戸隠《お申込み受付中:詳細はリンク先より》

▶︎10/2-4
天(占星術)と地(食)をYOGAでつなぐ 神話が息づく聖域 戸隠でよみがえりのリトリート ~エネルギー調整とメガパワー注入の2泊3日~《お申込み受付中:詳細はリンク先より》

天地人.png

この記事を書いた人

THE KOKONOE 代表⽔⾕ 翔

医⼯学修⼠。信州⼤学⼤学院博⼠課程(社会⼈研究⽣)に在籍し、⼟壌微⽣物のゲノム解析を通じて⽣物多様性と共⽣のメカニズムを研究。
民泊とファーマーズレストランでは過ごす⼈の⼼と⾝体の両⾯からパワーチャージできる空間づくりに⼒を⼊れている。花⾖・エディブルフラワー・⼭野草・ハーブ年間約120種を有機栽培。
⾳叉美容トリートメントSound Luxuryを実施。土づくりアドバイザー。

    メディアリンク
SHARE