自然豊かな環境で、読書を楽しむひとときを。
農・食・文化・芸術・科学をメインに揃えたKokonoe Green Libraryの書籍をご紹介いたします。
店内の蔵書は自由にお読みいただくことができ、お気に入りの書籍のお持ち込みもOKです。
伏流水が流れ、雄大な山々に囲まれた里山で、自分だけのひと時をお過ごしください。
Bon voyage!
18~19世紀における化学薬品の開発、20~21世紀かけての製薬会社の躍進にもかかわらず、ハーブ療法は生き残り、新たな脚光を浴びていますが、それはハーブ療法が健康と幸福を守る、より自然な方法であるからです。今日でもハーブ療法士たちは、患者に対して、ドライハーブ、浸剤、チンキ、軟膏といった伝統的な調合薬を使っています。現在、数多くのハーブが現代の科学的な方法で研究されつつあり、たいていの場合、その有効性と伝統的な利用法が認められています。
私にとってハーブの魅力って何だろう?
と考えた時、"自分を知ること" だと思いました。
ハーブに触れたことがある人なら、感覚的に好きになるハーブには傾向がある、と感じたことはないでしょうか。
私はそんな経験があり、イングリッシュガーデンやハーブ園に行った時、自然と目に入るハーブ、手に取ってしまうハーブがあります。
それらを振り返ると、同じ「科」に属するものだったりします。
最近は好みが少し変化して来ていますが、以前はアンゼリカのようなセリ科のハーブが大好きでした。
香りもさることながら、料理にアクセントとして入れると味が引き立ちます。
セリ科のハーブと言えば、ディル、フェンネル、コリアンダーなどが有名です。野菜では、メジャーなところで言えば、ニンジン、セロリ、ミツバなどがそうです。
関連するハーブは、ペパーミント(シソ科)、ヤロー(キク科)、トウガラシ(ナス科)などが挙げられます。
去年の夏、戸隠(長野市)と飯綱町、信濃町にまたがる飯綱山に、地域の方々と一緒に登山にいきました。
そうしたら、なんと山頂の岩場で "ヤマトトウキ(セリ科)" を発見しました。
ヤマトトウキは、様々な漢方薬や生薬製剤に使われる重要な生薬の一つであるとされ、近年、栄養成分の高さに注目が集まっています。
葉を指でこすると、独特の香りが漂い、その場にいた地域の先輩方々も「へぇ!これが和ハーブなんだね。面白いね」と、おっしゃっていました。
長野北部そして戸隠の生態系の豊かさを実感する経験となりました。
そして、「地」と「人」は、切っても切り離せない関係である認識を強めました(身土不二)。
さて、好きなハーブを分析すると、その傾向が見えてきます。
それがなぜでしょうか。自然と手に取ったり、好きになるハーブは、実は自分の体質や健康状態を反映しているのではないか、そう感じます。
私が好きなアンゼリカは以下のような意味・効能があるとされています。
アンゼリカは数百年に渡って、血液を浄化し、感染症を防ぐハーブとして大切にされてきました。17世紀のロンドンの大疫病(腺ペストの大流行)の時には、人びとはその根を噛んで感染を防ぎました。今日のハーブ療法では、浄化作用、解毒作用のある薬として用いられています。
利用する部位:根、種子
有効成分:苦味成分、グリコシド、有機酸、糖質、タンニン、揮発性成分
効能・用法:咳と気管支炎には、乾燥させた根の浸剤を1日2~3回飲めば、発作的な咳を起こす炎症を和らげます。消化不良や胃痛には、乾燥させた根の浸剤かチンキを指示どおり飲めば、痛みを和らげ、さらに肝機能を高めて、脂っぽい食べ物の消化を促します。
上記は本書からの引用ですが、私の体質・食生活と照らし合わせてみると、かなりマッチしています。
その通りなのです。以前から、喉に少々の違和感を感じることがあったり、体質に合わない食事を食べてしまい胃が不調になることが度々ありました。
そうした自身の不調な傾向を改善するするために、セリ科は最適だったのでは!と驚きました。
フィードバックを行い、好きなハーブを詳しく知ることで、自分の体調・体質の傾向も知ることができる。ハーブにはこんな魅力もあると思います。
ここのえ農園では、現在、自家用とお店でお出ししている食事のアクセント用に、小さなキッチンガーデンでハーブを育てています。
昨年、何種類か自家採取を試みました。今年は、種類を増やしてバリエーションをさらに豊かにしたいと考えています。
お越しの方々に、香り豊かで、見た目も美しいハーブに触れ、"自分を知る" きっかけにして頂ければ嬉しいと思っています。
(ここのえ店主)
ハーブ図鑑
更新:2019/03/15